当ページの記述は、昭和56年1月1日以降に開始した相続について適応されます。昭和55年12月31日以前に開始した相続については、法定相続人特定のルールが現在と異なりますのでご注意ください。

法定相続人とは

亡くなった人の財産を相続をすることができる人は、民法第886条~895条で定められています。この民法で定められた、法律上相続する権利のある人のことを法定相続人といいます。また、亡くなった人のことを被相続人といいます。

法定相続人の決定方法

配偶者は常に法定相続人となる

被相続人の死亡時に配偶者が生きていれば、配偶者は必ず法定相続人となります。ただし、法定相続人となるのは法律上の配偶者に限られ、愛人や婚姻届けを出していない内縁の配偶者、被相続人の死亡前に離婚した元配偶者などは法定相続人となりません。

配偶者以外は法定相続人となる優先順位がある

配偶者以外は法定相続人となる優先順位があり、次の表の順位に従い誰が相続人となるかが決まります。なお、先順位の人が1人でもいる場合は、後順位の人は相続人となりません。

配偶者以外の法定相続人となる優先順位
  1. 直系尊属
  2. 兄弟姉妹
注 Q&A「誰が直系尊属に該当するのかわかりません。

第1順位 子

被相続人の死亡時に生きている子及び胎児が、法定相続人(第1順位法定相続人)となります。子には、実子と養子の両方を含みます。ただし、実子でも被相続人から認知を受けていない子や特別養子縁組によって実親と親子関係が終了している子は法定相続人となりません。

注1 Q&A「認知とはなんですか? 注2 Q&A「養子縁組とはなんですか? 注3 Q&A「被相続人の配偶者の連れ子は、被相続人の法定相続人になりますか? 注4 Q&A「親権の有無で法定相続人が変わるなどの影響はありますか?
代襲相続の場合
被相続人の子が次のいずれかに該当する場合、被相続人の孫が当該子に代わって法定相続人となります。これを代襲相続といいます。ただし、養子縁組前に生まれていた養子の子は、養子を代襲して養親である被相続人の法定相続人とはなりません。また、子についての代襲相続は無制限に(被相続人の孫、曾孫以下にも)適用されます。
  • 被相続人の子が被相続人の死亡時に既に亡くなっている場合
  • 被相続人の子が廃除によって相続権を失った場合
  • 被相続人の子が相続人の欠格事由に該当した場合
注1 Q&A「廃除とはなんですか? 注2 Q&A「欠格とはなんですか?

第2順位 直系尊属

第1順位法定相続人が1人もいない場合で、かつ、被相続人の死亡時に生きている直系尊属がいれば、親等が最も近い直系尊属が法定相続人(第2順位法定相続人)となります。直系尊属には、実親と養親の両方を含みます。ただし、特別養子縁組をおこなった場合には、離縁をしていない限り、実親は法定相続人となりません。

注1 Q&A「誰が直系尊属に該当するのかわかりません。 注2 Q&A「養子縁組とはなんですか? 注3 Q&A「親権の有無で法定相続人が変わるなどの影響はありますか?

第3順位 兄弟姉妹

第1順位法定相続人と第2順位法定相続人が1人もいない場合で、かつ、被相続人の死亡時に生きている兄弟姉妹がいれば、当該兄弟姉妹が法定相続人(第3順位法定相続人)となります。また、兄弟姉妹についても代襲相続は適用されますが、その適用範囲は被相続人の甥姪までに限られます。

法定相続人とならない場合

法定相続人となるはずの人でも、次のいずれかに該当する場合は、法定相続人となりません。ただし、1から3の場合は、その人に子がいれば、当該子が代襲相続人として法定相続人となります。
  1. 被相続人の死亡時に既に亡くなっている場合
  2. 廃除によって相続権を失った場合
  3. 相続人の欠格事由に該当した場合
  4. 相続放棄をした場合
注1 Q&A「廃除とはなんですか? 注2 Q&A「欠格とはなんですか?

よくある質問

誰が直系尊属に該当するのかわかりません。
本人からみて、父母、祖父母、曽祖父母、養父母等が直系尊属に該当します。なお、本人からみて、子、孫、兄弟姉妹、叔父母、従兄弟、甥姪、養子等は直系尊属には該当しません。
認知とはなんですか?
法律上の婚姻関係にない男女から生まれた子(非嫡出子)を、自分の子であると認める行為のことをいいます。非嫡出子と母の親子関係は分娩の事実によって当然に発生しますが、非嫡出子と父の親子関係は父の認知によって発生します。
養子縁組とはなんですか?
養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組の2つがあります。普通養子縁組は、実親と子の親子関係を維持したまま、養親と養子の養親子関係を生じさせることをいいます。一方、特別養子縁組は、実親と子の親子関係を終了させて、養親と養子の養親子関係を生じさせることをいいます。
被相続人の配偶者の連れ子は、被相続人の法定相続人になりますか?
被相続人と連れ子が養子縁組をしていない限り、連れ子は被相続人の法定相続人となりません。
親権の有無で法定相続人が変わるなどの影響はありますか?
親権の有無で法定相続人が変わることはありません。例えば、婚姻関係にあった男Aと女Bが「子Cの親権者を女Bとする」離婚をした後、男Aが死亡した場合、子Cは男Aの法定相続人となります。ちなみに、この場合、女Bは男Aの死亡時に既に男Aと離婚しているので、女Bは男Aの法定相続人となりません。
廃除とはなんですか?
相続人が被相続人に対して虐待・侮辱などをおこなった場合に、被相続人が家庭裁判所への請求や遺言書により、当該相続人を相続人の中から廃除する(相続権の剥奪)ことをいいます。
欠格とはなんですか?
相続において民法第891条に規定する欠格事由に該当することをおこない(遺産欲しさに被相続人を殺害する等)、相続権を失うことをいいます。

民法 第891条(相続人の欠格事由)
次に掲げる者は、相続人となることができない。 1 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者 2 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。 3 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者 4 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者 5 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者